フレーズ
エスペラントのことわざ32選|意味と日本のことわざ
有名なエスペラントのことわざを、もとの文のまま、直訳と、意味の近い日本のことわざとともに紹介します。
Proverbaro Esperanta(「エスペラントのことわざ集」)は、約2,630のことわざと言い回しを集めた本で、L. L. ザメンホフがエスペラントにまとめ、1910年に出版しました。もとになったのは、父マルクス・ザメンホフがロシア語、ポーランド語、フランス語、ドイツ語で集めた資料です。以下に、そのうち32をテーマ別に並べ、それぞれに直訳と、よく知られた日本のことわざがあれば、それを添えました。
テーマ別のエスペラントのことわざ
綴りは1910年版と1925年版に従っています。Temp' のアポストロフィは、省かれた語尾 -o の代わりです。日本のことわざは、意味が近いものを選んだだけで、語句が対応するわけではありません。「–」は、よく知られた対応がないことを表します。日常の表現は基本のフレーズをご覧ください。
仕事とお金
| エスペラント | 直訳 | 近い日本のことわざ |
|---|---|---|
| Komenco bona — laboro duona. | よい始まりは、仕事の半分。 | 始めが肝心 |
| Sen laboro ne venas oro. | 働かなければ、金は来ない。 | 蒔かぬ種は生えぬ |
| Kiu amas la liton, ne akiros profiton. | 寝床を愛する者は、利益を得られない。 | – |
| Ne prokrastu ĝis morgaŭ, kion vi povas fari hodiaŭ. | 今日できることを、明日まで延ばすな。 | 善は急げ |
| Ŝparu groŝon — vi havos plenan poŝon. | 小銭を節約すれば、ポケットがいっぱいになる。 | 塵も積もれば山となる |
言葉と沈黙
| エスペラント | 直訳 | 近い日本のことわざ |
|---|---|---|
| Parolo estas arĝento, oron similas silento. | 言葉は銀、沈黙は金に似ている。 | 雄弁は銀、沈黙は金 |
| Granda parolisto estas duba faristo. | 大口をたたく人は、あやしい実行者だ。 | – |
| Vundo pasas, vorto restas. | 傷は過ぎ去り、言葉は残る。 | – |
| La muro havas orelojn. | 壁には耳がある。 | 壁に耳あり障子に目あり |
| Gardu vin du baroj: lipoj kaj dentaroj. | 2つの柵に身を守らせよ。唇と歯並びである。 | 口は災いの元 |
友達
| エスペラント | 直訳 | 近い日本のことわざ |
|---|---|---|
| Amikon montras malfeliĉo. | 不幸が友を示す。 | まさかの時の友は真の友 |
| Kun kiu vi festas, tia vi estas. | 誰と宴を楽しむかで、あなたもそのようになる。 | 朱に交われば赤くなる |
学び
| エスペラント | 直訳 | 近い日本のことわざ |
|---|---|---|
| Per pacienco venas scienco. | 忍耐によって、知識が来る。 | 石の上にも三年 |
| Lernu juna — vi scios maljuna. | 若いうちに学べ。年をとってから知っているだろう。 | – |
| Homo lernas la tutan vivon. | 人は一生学ぶ。 | 六十の手習い |
時間と運
| エスペラント | 直訳 | 近い日本のことわざ |
|---|---|---|
| Temp' estas mono. | 時は金である。 | 時は金なり |
| Kiu vivos, tiu vidos. | 生きる者は、見るだろう。 | – |
| Ne en unu tago elkreskis Kartago. | カルタゴは1日では育たなかった。 | ローマは一日にして成らず |
| Plej bone ridas, kiu laste ridas. | 最後に笑う者が、いちばんよく笑う。 | – |
| Pli bone malfrue, ol neniam. | 遅くても、一度もしないよりよい。 | – |
原因と結果、見かけ
| エスペラント | 直訳 | 近い日本のことわざ |
|---|---|---|
| Kiu semas venton, rikoltos fulmotondron. | 風をまく者は、雷雨を刈り取る。 | 蒔いた種は刈らねばならぬ |
| Kia ago, tia pago. | その行いに、その報い。 | 因果応報 |
| Ne ĉio brilanta estas diamanto. | 輝くものがすべてダイヤモンドとは限らない。 | 光るもの必ずしも金ならず |
| Ne juĝu pri afero laŭ ĝia ekstero. | 物事を、その外見で判断するな。 | 人は見かけによらぬもの |
| Unu ovo malbona tutan manĝon difektas. | 1つの悪い卵が、食事全体をだめにする。 | – |
動物、わが家と外国
| エスペラント | 直訳 | 近い日本のことわざ |
|---|---|---|
| Kiu bojas, ne mordas. | 吠える者は、噛まない。 | 吠える犬は噛みつかぬ |
| Kiam kato promenas, la musoj festenas. | 猫が散歩に出ると、ネズミたちが宴会をする。 | 鬼の居ぬ間に洗濯 |
| Fiŝo pli granda malgrandan englutas. | より大きな魚は、小さな魚をのみ込む。 | – |
| Pri la lupo rakonto, kaj la lupo renkonte. | 狼の話をしていると、その狼が出くわす。 | 噂をすれば影が差す |
| Monto gravediĝis, muso naskiĝis. | 山が身ごもり、ネズミが生まれた。 | 大山鳴動して鼠一匹 |
| Ĉio transmara estas ĉarma kaj kara. | 海の向こうのものは、すべて魅力的でいとしい。 | – |
| Neniu estas profeto en sia urbeto. | だれも、自分の小さな町では預言者ではない。 | – |
Proverbaro はどこから来たの?
マルクス・ザメンホフは、1905年にロシア語・ポーランド語・フランス語・ドイツ語の対照フレーズ集を出し始めましたが、完成する前に亡くなりました。エスペラントの部分もほしいという父の願いを受けて、息子が用意しました。それは分冊で出たあと、1910年に1冊の本になり、1925年にパリで第2版が出ています。この本には、本物のことわざと、Ĉerpi akvon per kribrilo – 「ふるいで水をくむ」(むだな仕事のこと)のような慣用句が混ざっています。あわせてザメンホフとエスペラント文学もご覧ください。
本文は、関連することわざをまとめた1,232の番号つきのグループからなり、もとのロシア語のキーワード順に並んでいて、巻末にはテーマ別のアルファベット順の索引があります。
今はどう使われている?
辞書 ReVo は、参考文献に1974年版(略称 PrV)を挙げていて、多くの項目で引用しています。言語学者のザビーネ・フィードラー(2015年)によると、2,630の表現のうち、話者のあいだで広く知られているのは約7%だけです。表に載せた最後の2つを、今ではとても人気があると述べています。さらに充実した現代版として、8言語の Oklingva Proverbaro が2020年に出ました。読み物はほかにサンプルテキストがあります。
ことわざの中の語形成
| 語 | 部品 | 意味 |
|---|---|---|
| proverbaro | proverb·ar·o | ことわざ集 |
| dentaro | dent·ar·o | 歯並び(歯をひとまとまりとして) |
| parolisto, faristo | parol·ist·o, far·ist·o | 話し手、実行者(-ist-:仕事や習慣として何かをする人) |
| malfeliĉo | mal·feliĉ·o | 不幸 |
| malfrue | mal·fru·e | 遅く(frue は「早く」) |
| malŝpari | mal·ŝpar·i | むだづかいする(ŝpari「節約する」の反対) |
接尾辞 -ar- は同じ種類のものがたくさん集まった全体、-ist- は何かをよく、または仕事としてする人、接頭辞 mal- は正反対を表します。語形成、接尾辞、接頭辞をご覧ください。
覚えやすくしているパターン
多くのことわざは韻を踏んでいたり(ago – pago、bona – duona)、相関詞を対にしていたりします。Kiu vivos, tiu vidos、Kia ago, tia pago がその例です。ほかにも ju … des を使うものがあり、Ju pli da bruo, des malpli da ĝuo. – 「騒ぎが多いほど、楽しみは少ない。」のようになります。フィードラーによれば、対格の語尾 -n のおかげで目的語を動詞の前に置く形(Amikon montras malfeliĉo)や、強調のために語順を入れ替える形がよく見られます。Pri gustoj oni disputi ne devas – 「好みについては議論すべきでない」は、oni ne devas disputi が普通の語順です。日本語の「蓼食う虫も好き好き」に近い意味です。
辞書にある慣用句
ReVo は、比喩的な表現も載せています。
| エスペラント | ReVo の説明 | 項目 |
|---|---|---|
| perdi la kapon | 分別をなくす、気が変になる | kapo |
| lia nomo estas sur ĉies lango | 彼はとても有名だ | lango |
| bruligi siajn fingrojn | 自分の立場を危うくする、いやな目に遭う | fingro |
| foriri kun longa nazo | 失望して、何も得られないまま立ち去る | nazo |
よくある質問
エスペラントのことわざは誰が書きましたか?
L. L. ザメンホフが集めてまとめました。父マルクス・ザメンホフが集めた、ロシア語・ポーランド語・フランス語・ドイツ語の資料にあることわざを、エスペラントに直したものです。そのため、ヨーロッパ各地で知られていることわざに似たものが多くあります。
Proverbaro Esperanta には、いくつことわざがありますか?
フィードラー(2015年)、Vikipedio、1974年版の番号によれば、約2,630の異なることわざです。1,232の番号つきのグループにまとめて載っていて、いくつかの表現は複数のグループに出てきます。
話者が実際に知っているエスペラントのことわざは?
多くありません。広く知られているのは、表現の約7%だけです(フィードラー、2015年)。彼女は、Ĉio transmara estas ĉarma kaj kara と Neniu estas profeto en sia urbeto を、とても人気があるものとして挙げています。
Proverbaro の全文はどこで読めますか?
1925年版はVikifontaro(エスペラント語版ウィキソース)に書き起こされています。1910年のテキストの電子版もネット上にあります(出典を参照)。
出典
- Vikifontaro: Proverbaro Esperanta (L. Zamenhof, 2a eld., 1925)
- Proverbaro Esperanta, 1910 text with both prefaces – 電子版。上のことわざの確認に使用
- Vikipedio: Proverbaro Esperanta と Wikipedia: Proverbaro Esperanta
- Vikipedio: Oklingva Proverbaro
- Rob Keetlaer: Esperantaj proverboj – 2,630のことわざの番号づけ。表現の突き合わせ
- Sabine Fiedler: Esperanto Phraseology (2015)
- ReVo: bibliography、proverbo、parolo、fari、dento、feliĉa、ŝpari
- PMEG: AR、IST、MAL、Apostrofo
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