Esperantopedia

文法

エスペラントの語形成|語根と接辞で単語を作る方法

語根をひとつ覚え、規則を知れば、追加の暗記なしで10語以上が手に入ることもあります。

更新日: 約11分で読めます

エスペラントの語は、形の変わらない部品からできています。語根、あれば接頭辞と接尾辞、そして文法的な語尾です。Mal·san·ul·ej·o は「反対+健康な+人+場所+名詞」で、「病院」の意味になります。部品を知っていれば、語を分解することも、新しい語を作ることもできます。

mal接頭辞反対
san語根健康な
ul接尾辞人
ej接尾辞場所
o語尾名詞

malsanulejo病院

だからエスペラントは、ほかの言語より少ない語根で足ります。ザメンホフの最初の教科書、Unua Libro(1887年)にある語根は、わずか917個でした。語尾、接辞、複合によって、1つの語根から関連する語の一族ができます。

ひとつの語根から、たくさんの単語

Reta Vortaro には語根 san- から作られた単語が23語あります。ここではそのうち15語を紹介します。接頭辞と接尾辞をいくつか知っていれば、辞書なしで意味がわかります。

語尾だけ接尾辞つき接頭辞つきsanosanasanigasanigisanecosanigilosanilomalsanamalsanomalsanulejoresaniĝimalsaniĝiresanigimalsanemaresanigilosan-

malsanulejo

病院

  1. mal接頭辞反対
  2. san語根健康
  3. ul接尾辞人
  4. ej接尾辞場所
  5. o語尾名詞
辞書で見る

単語を指すかタップすると、成り立ちと意味が表示されます。

単語の家族:Reta Vortaro(GPL)、成り立ち:Esperantopedia の解析器、意味:Esperantopedia、ウィクショナリー、ReVo。

単語ビルダー
lern語根学ぶ
ej接尾辞場所
estr接尾辞長・指導者
o語尾名詞

lernejestro校長

re接頭辞再び・元へ
san語根健康な
iĝ接尾辞〜になる
i語尾不定詞

resaniĝi回復する

ge接頭辞男女両方
patr語根父
o語尾名詞
j語尾複数形

gepatroj両親

語根を選び、接頭辞・接尾辞・語尾を加えてみましょう。単語と意味がすぐに変わります。

lern学ぶej場所estr長・指導者o名詞

= lernejestro校長

例

接頭辞
語根
接尾辞(2つまで)
語尾

4種類の部品

部品閉じた集合か、開いた集合か数例
語根開いているアカデミーの辞典に公式要素4,953個、2023年に420個の語根が追加dom-, kur-, bel-
語尾閉じている11個-o, -a, -e, -i, -as, -is, -os, -us, -u, -j, -n
接辞閉じている接頭辞10個、接尾辞31個、分詞の接尾辞6個mal-, -ej-, -ant-
語尾のない小語閉じているアカデミーの辞典に184個la, kaj, sur, ankaŭ

アカデミーの辞典(Akademia Vortaro)は、公式要素を4,953個と数えています。この数には、11個の語尾と184個の小語が含まれ、残りは語尾をつけて使います。2023年の第10回公式追加で、新しい語根が420個加わりました。

漢字熟語との比較

日本語話者は、語形成に有利な立場にいます。日本語の漢字熟語が、まさにこの発想で作られているからです。「病院」は「病」と「院」、「鉄道」は「鉄」と「道」を組み合わせた語です。エスペラントも、意味の部品を組み合わせて語を作ります。

日本語構造エスペラント部品
病院病(病気の)+院(施設)malsanulejomal·san·ul·ej·o
学校学(学ぶ)+校(場所)lernejolern·ej·o
校長校(学校)+長lernejestrolern·ej·estr·o
鉄道鉄+道fervojofer·voj·o
蒸気船蒸気+船vaporŝipovapor·ŝip·o
首都首(主要な)+都(都市)ĉefurboĉef·urb·o
教科書教科(学ぶこと)+書(本)lernolibrolern·o·libr·o
飲み物飲む+物trinkaĵotrink·aĵ·o

日本語とエスペラントには、重要な共通点があります。どちらも、主要な語が最後に来ます。「蒸気船」は船の一種で、vaporŝipo も船の一種です。前の語が後ろの語を限定するという解釈が、日本語話者には自然にできます。

違いも2つあります。第1に、漢字は1字に意味が詰まっていますが、エスペラントは意味を1部品ずつ綴りで書くので、malsanulejo は長く見えます。ただし読み方は迷わず、書いてあるとおりに発音します。第2に、エスペラントの語根の大半はヨーロッパの言語に由来するので、漢字の知識が語根の意味のヒントにはなりません。助けになるのは、組み立ての考え方だけです。

語尾が品詞を決める

同じ語根が、語尾を変えるだけで、名詞、形容詞、副詞、動詞になります。名詞と形容詞と動詞を参照してください。

語尾品詞rapid-san-
-o名詞rapido 「速さ」sano 「健康」
-a形容詞rapida 「速い」sana 「健康な」
-e副詞rapide 「速く」sane 「健康に」
-i動詞rapidi 「急ぐ」sani 「健康である」

それぞれの語根には、動作、性質、物のいずれかの、基本的な意味があります。-o の形がそれを示します(PMEG)。Kombi「くしでとかす」は動作なので、くしは kombilo「とかす道具」です。Broso「ブラシ」は物なので、ブラシをかけることは単に brosi です。

接辞が意味を加える

接頭辞は語根の前、接尾辞は語根のあとにつきます。それぞれが意味を1つ加えます。mal-「反対」、-ej-「場所」、-ul-「人」、-in-「女性」、-et-「小さい」、-eg-「大きい」、-ig-「させる」、-iĝ-「なる」。

接辞は、普通の語根でもあります。Ejo は「場所」、ilo は「道具」、eta は「ごく小さい」、ege は「とても」、ree は「再び」。

語の一族:lern-「学ぶ」

語部品意味
lernilern·i学ぶ
lernantolern·ant·o生徒、学習者
lernejolern·ej·o学校
lernejanolern·ej·an·o学校の生徒
lernejestrolern·ej·estr·o校長
lernolibrolern·o·libr·o教科書
lernemalern·em·a勉強熱心な
lerneblalern·ebl·a学べる
lernadolern·ad·o勉強、学習の過程
ellerniel·lern·i完全に習得する
relernire·lern·i学び直す
memlernintomem·lern·int·o独学者

もうひとつの一族が、san-「健康な」からできます。sana「健康な」、malsana「病気の」、malsano「病気」、malsanulo「病人」、malsanulejo「病院」、sanigi「治す」、resaniĝi「回復する」。

複合語:主要な語は最後

『エスペラントの基礎』の第11条によると、複合語は語根をつなげて作り、主要な語を最後に置きます。前の部分は、後ろの部分の意味を限定します(PMEG)。

  • vaporŝipo – 「蒸気船」(蒸気で動く船)。ŝipvaporo なら「船の蒸気」
  • fervojo – 「鉄道」(文字どおりには「鉄の道」)
  • ĉefurbo – 「首都」(主要な町)
  • dikfingro – 「親指」(太い指)

「親指」は、日本語では「親の指」と考えますが、エスペラントは「太い指」です。発想は違っても、組み立ては同じです。

発音しやすくするため、あるいは明確にするために、部品のあいだに連結母音(普通は -o-)を入れることがあります。lern·o·libr·o、sang·o·ruĝ·a「血のように赤い」。前の部分が形容詞のように後ろを説明するだけのときは、普通、省きます。dikfingro であって、dikafingro ではありません(PMEG)。

前置詞を含む句も、1語になります。この場合は、主要な語が最後ではありません。sen hejmo「家がない」→ senhejma「家のない」、inter nacioj → internacia「国際的な」、sub tegmento → subtegmento「屋根裏」。日本語の「国際」(国と国の「際」)と同じ作りです。前置詞を参照してください。

917の語根から数万の語へ

1887年のUnua Libroには917個の語根があり、ザメンホフのUniversala Vortaro(1894年)がさらに1,740個を加えました。最大の辞典であるPlena Ilustrita Vortaroは、2002年版で見出し語16,780、語彙項目46,890を収めています。これらの大半は、はるかに少ない語根から作られた派生語と複合語です。

アカデミーは、1913年にルネ・ド・ソシュールが定式化した必要十分の原則を推奨しています。明確な意味に必要な部品はすべて使い、それ以上は使わない、という考え方です。Sufiĉo はすでに「十分さ」の意味なので、sufiĉeco は何も加えません。日本語の「頭痛が痛い」のような重ね言葉を避ける感覚に似ています。

落とし穴

1. 意味の固定化。 部品は語を説明しますが、定義するわけではありません。Lernejo は学校であって、誰かが学ぶ場所のすべてではありません。日本語の「学校」が、学ぶ場所すべてを指すわけではないのと同じです。ほかの例には、vortaro「辞書」(語の集まり)、arbaro「森」、vagonaro「列車」、pordego「大きな門」、rideti「微笑む」、ŝtrumpeto「ソックス」があります。PMEG は、ladskatolo が金属の箱すべてではなく、ブリキ缶であることを指摘しています。

2. 組み立てに見えるだけの語。 Kolego「同僚」は、kol·eg·o「巨大な首」ではありません。Okulo「目」は ok·ul·o「8人」ではなく、haringo「ニシン」は har·ing·o ではありません。PMEG は、PIV の中に、接尾辞 -et- を含むように見えるだけの語根が150以上あると数えています。

3. -ig- と -iĝ- は語根によって決まる。 Fermi「閉める」からは fermiĝi「閉まる」ができます。Sidi「座っている」からは sidigi「座らせる」と sidiĝi「座る」ができます。動詞が目的語を取るかどうかは、辞書で確認しましょう。

4. -um- には決まった意味がない。 Kolumo「襟」、aerumi「換気する」、plenumi「果たす」は、1語ずつ覚えます。

例文

  • Mia fratino lernas en granda lernejo. – 「私の妹は大きな学校で学んでいます。」
  • La lernantoj demandis la instruiston pri la lernolibro. – 「生徒たちは先生に教科書について質問しました。」
  • Esperanto estas facile lernebla lingvo. – 「エスペラントは習得しやすい言語です。」
  • Mia avo laboris kiel fervojisto. – 「祖父は鉄道員として働いていました。」
  • Mia dormoĉambro estas malgranda sed hela. – 「私の寝室は小さいけれど明るいです。」
  • La vortaro helpas min kompreni novajn vortojn. – 「辞書は私が新しい単語を理解するのを助けてくれます。」
  • Ĉu vi havas tranĉilon por la pano? – 「パンを切るためのナイフを持っていますか?」
  • Ŝia parolado estis mallonga kaj klara. – 「彼女のスピーチは短くて明快でした。」
  • Vespere ni hejmeniris piede. – 「夕方、私たちは歩いて家に帰りました。」

よくある質問

エスペラントの単語はいくつありますか?

新しい語がいつでも作れるので、決まった数はありません。最大の辞典 PIV(2002年)は46,890の語彙項目を収め、アカデミーの公式リストには4,953の要素と、2023年に加わった420個の語根があります。

エスペラント語で新しい語を作ってもいいですか?

かまいません。部品の正しい組み合わせは文法的で、通じることも多いのです。ただし、決まった意味をもつ既存の語がすでにあるかもしれないので、先に辞書で確認しましょう。

なぜ複合語は主要な語が最後なのですか?

『エスペラントの基礎』の第11条が、主要な語を最後に置くと定めているからです。前の部分は意味を限定するだけです。vaporŝipo は船の一種で、蒸気の一種ではありません。日本語の「蒸気船」と同じ考え方です。

lernolibro のような語の連結の -o- は何ですか?

2つの語根のあいだに入れる、任意の母音です。語を言いやすく、理解しやすくします。名詞の語尾を継ぎ目として使うもので、-j や -n はつきません。

なぜ lernejo は「学ぶ場所すべて」ではなく「学校」なのですか?

どの言語の語とも同じように、エスペラントの複合語も慣用的な決まった意味を持つようになるからです。部品が強いヒントを与え、辞書が正確な意味を示します。

出典

Esperantopediaがお役に立てたなら、サイトを応援することもできます。