Esperantopedia

文法

エスペラントの動詞|時制・活用・esti の使い方

語尾は6つ、人称による変化も不規則動詞もなし。動詞の体系は1枚の表に収まります。

更新日: 約7分で読めます

エスペラントの動詞には6つの語尾があり、人称や数で変化しません。Mi parolas, vi parolas, ŝi parolas, ili parolas(「私は話す、あなたは話す、彼女は話す、彼らは話す」)。時制ごとに形は1つです。esti(「〜である」)を含め、不規則動詞はひとつもありません。

動詞が人称で変化しない点は、日本語と同じです。日本語の「食べる」が「私は食べる」「彼は食べる」で変わらないのと同じように、parolas は主語が誰でもそのままです。

動詞の6つの語尾

語尾名称例訳
-i不定詞paroli「話す」
-as現在mi parolas「私は話す、話している」
-is過去mi parolis「私は話した、話していた」
-os未来mi parolos「私は話すだろう、これから話す」
-us仮定(条件)mi parolus「私なら話すだろう」
-u命令・願望parolu!「話しなさい!」

母音には規則性があります。a は現在、i は過去、o は未来です。同じ母音が、分詞の -ant-、-int-、-ont- にも現れます。

今

日本語の「る・た」との対応

エスペラント日本語備考
-i(paroli)話す(辞書形)辞書に載る形
-as(parolas)話す・話している現在
-is(parolis)話した日本語の「た」にあたる
-os(parolos)話す(未来)日本語は現在と形が同じ
-us(parolus)話すだろう、話せば仮定、丁寧な依頼
-u(parolu)話せ、話そう命令・勧誘

日本語の動詞「行く」は、「今行く」にも「明日行く」にも使える非過去形です。エスペラントでは未来のことを -os で表すのが普通なので、Morgaŭ mi iros(明日行きます)のように、日本語話者は意識して -os を選びましょう。

paroli(話す)の完全な活用表

人称現在過去未来仮定命令・願望
私mi parolasmi parolismi parolosmi parolusmi parolu
あなたvi parolasvi parolisvi parolosvi parolusvi parolu
彼、彼女、それli, ŝi, ĝi parolasli, ŝi, ĝi parolisli, ŝi, ĝi parolosli, ŝi, ĝi parolusli, ŝi, ĝi parolu
私たちni parolasni parolisni parolosni parolusni parolu
あなたたちvi parolasvi parolisvi parolosvi parolusvi parolu
彼らili parolasili parolisili parolosili parolusili parolu
人はoni parolasoni parolisoni parolosoni parolusoni parolu
日本語の目安話す話した話すだろう話すなら話せ、話そう

エスペラントのすべての動詞が、この表に従います。変わるのは主語だけなので、代名詞は必要です。parolas だけでは、誰が話すのかわかりません。代名詞を参照してください。

esti(〜である)

形エスペラント日本語
不定詞esti〜である、いる、ある
現在estas〜だ、〜です、いる、ある
過去estis〜だった、いた、あった
未来estos〜だろう、いるだろう
仮定estus〜だろう
命令・願望estu〜であれ、〜であるように
分詞estanta, estinta, estonta〜である、〜であった、〜であろうとする
  • Mi estas feliĉa. – 「私は幸せです。」
  • Ili estis hejme. – 「彼らは家にいました。」
  • Estu trankvila! – 「落ち着いて!」
  • Estas tri katoj en la ĝardeno. – 「庭に猫が3匹います。」

esti のあとの語には、目的語の語尾 -n はつきません。Mi estas instruisto は「私は教師です」。対格を参照してください。

日本語の「です・だ」にあたる働きも、「いる・ある」にあたる働きも、esti ひとつで担います。「いる」(生き物)と「ある」(物)の区別もありません。「持っている」は esti ではなく havi です。Mi havas hundon は「私は犬を飼っています(持っています)」。

また、日本語の形容詞は「大きかった」のように自分で活用しますが、エスペラントの形容詞は時制によって変化しません。時制は esti が担います。La domo estis granda. は「家は大きかった。」

現在、過去、未来

-as は、いま起きていること、習慣、一般的な事実を表します。以前に始まり、いまも続いている状態も表します。Mi loĝas ĉi tie tri jarojn. は「私はここに3年住んでいます。」

-is は、あらゆる種類の過去を表します。Mi jam manĝis. は「もう食べました。」Hieraŭ mi laboris. は「きのう私は働きました。」日本語の「た」と同じように、完了も過去も表せます。

-os は未来です。Morgaŭ mi vizitos vin. は「あした、あなたを訪ねます。」

間接話法では、動詞は元の発言の時制を保ちます。Li diris, ke li volas manĝi. は「彼は食べたいと言いました」(文字どおりには「食べたい」と現在形)。日本語の「食べたいと言った」と同じ感覚です。

仮定 -us

-us は、想像や非現実のことを表し、時間は関係しません。「もし〜なら」の文でも、想像上のことを述べるときは、両方の節に -us をつけます。

  • Se mi havus tempon, mi venus. – 「時間があれば、行くのに。」
  • Mi ŝatus kafon. – 「コーヒーをいただきたいのですが。」
  • Ĉu vi povus helpi min? – 「手伝っていただけませんか?」

現実にありうることには、普通の時制を使います。Se pluvos, mi restos hejme. は「雨が降ったら、家にいます。」エスペラントは、どちらの節にも未来を使います。

命令・願望 -u:命令、願い、「〜しよう」

-u は、誰かが望むこと、頼むこと、命じることを表します。

  • Venu! – 「来なさい!」
  • Ni iru! – 「行きましょう!」
  • Li atendu. – 「彼には待ってもらいましょう。」
  • Mi volas, ke vi venu. – 「あなたに来てほしい。」
  • Ĉu ni iru? – 「行きましょうか?」

日本語の「〜しよう」「〜しましょう」(勧誘)は、ni + -u の形にあたります。Ni manĝu! は「食べましょう!」です。

丁寧な「どうぞ」は bonvolu +不定詞です。Bonvolu sidiĝi. は「どうぞお座りください。」

敬語はない:丁寧さの表し方

日本語には、「食べる・召し上がる・いただく」のような敬語があります。エスペラントには、敬語の体系がありません。manĝi ひとつを、先生にも友達にも使います。丁寧さは、語の選び方で表します。

丁寧さエスペラント日本語
くだけたDonu al mi akvon.「水をちょうだい。」
丁寧Bonvolu doni al mi akvon.「水をください。」
とても丁寧Ĉu vi bonvolus doni al mi akvon?「水をいただけませんでしょうか。」

bonvolu は「どうぞ」にあたり、bonvolus(-us の仮定形)を ĉu の疑問文に入れると、最も丁寧になります。ほかにも、mi petas(お願いします)、dankon(ありがとう)、敬称の sinjoro(〜さん、〜様)を添えて、敬意を示せます。

複合時制:簡単に

esti +分詞は、より細かい時間の区別と受動態を表します。

形例訳
estas + -intaMi estas manĝinta.「私は食べ終えています。」
estis + -intaMi estis manĝinta, kiam li venis.「彼が来たとき、私はもう食べ終えていました。」
estas + -itaLa pordo estas fermita.「ドアは閉まっています。」
estis + -ita + deLa letero estis skribita de Anna.「手紙はアンナによって書かれました。」

PMEG は、たいていの場合、単純な形を使うよう勧めています。詳しくは分詞にあります。

他動詞と自動詞:-ig- と -iĝ-

動詞の語根は、他動詞(目的語を取る)か自動詞のどちらかです。Fermi「閉める」は他動詞です。Mi fermas la pordon. は「私はドアを閉めます。」「ドアが閉まる」と言うには、-iĝ- を加えます。La pordo fermiĝas.

-ig- は逆に働き、「〜させる」の意味です。morti「死ぬ」→ mortigi「殺す」。両方をひとつの語根につけることもできます。sidi「座っている」、sidiĝi「座る」、sidigi「座らせる」。接尾辞も参照してください。

日本語には、「閉める/閉まる」「止める/止まる」のように、他動詞と自動詞のペアが数多くあり、別々に覚える必要があります。エスペラントなら、-ig- と -iĝ- で規則的に作れます。

日本語(自動詞/他動詞)エスペラント
閉まる/閉めるfermiĝi / fermi
開く/開けるmalfermiĝi / malfermi
止まる/止めるhalti / haltigi
燃える/燃やすbruli / bruligi
死ぬ/殺すmorti / mortigi

例文

  • Mi legas libron. – 「私は本を読んでいます。」
  • Hieraŭ mi legis la tutan tagon. – 「昨日は一日中読書をしました。」
  • Morgaŭ mi legos la novan ĉapitron. – 「明日は新しい章を読みます。」
  • Kiam vi telefonis, mi kuiris. – 「あなたが電話してきたとき、私は料理をしていました。」
  • Mi ŝatus legi pli ofte. – 「もっと頻繁に読書したいのですが。」
  • Se mi estus vi, mi ne farus tion. – 「もし私があなただったら、そんなことはしないでしょう。」
  • Legu laŭte, mi petas! – 「声に出して読んでください!」
  • Ni iru al la biblioteko! – 「図書館に行きましょう!」
  • Mi deziras, ke vi estu feliĉa. – 「あなたが幸せであることを願っています。」
  • Mi ne komprenas la demandon. – 「質問の意味がわかりません。」

よくある質問

エスペラント語の時制はいくつありますか?

単純な時制は3つです。現在 -as、過去 -is、未来 -os。これに、仮定の -us、命令・願望の -u、不定詞の -i を加えた6つが、動詞の語尾のすべてです。

エスペラント語に不規則動詞はありますか?

ありません。esti(〜である)、havi(持つ)、iri(行く)も含め、すべての動詞が同じ6つの語尾を使います。

エスペラント語で「〜しましょう」はどう言いますか?

ni と -u の形を使います。Ni iru! は「行きましょう!」、Ni manĝu! は「食べましょう!」です。

動詞の否定形はどう作りますか?

動詞の前に ne を置きます。Mi ne komprenas. は「私はわかりません。」疑問文と否定を参照してください。

エスペラント語に「食べている」のような進行形はありますか?

Mi manĝas は、「食べる」と「食べている」の両方を表します。mi estas manĝanta のような複合形もありますが、必要になることはまれです。

エスペラント語に敬語はありますか?

ありません。敬語の体系はなく、bonvolu(どうぞ)、仮定形 -us、敬称 sinjoro などの語で丁寧さを表します。

出典

Esperantopediaがお役に立てたなら、サイトを応援することもできます。