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エスペラント語で「ありがとう」「お願いします」「すみません」

エスペラントに敬語はありません。Dankon! は誰にでも使え、丁寧さは添える言葉で出します。

更新日: 約10分で読めます

エスペラント語の「ありがとう」はDankon!(ダーンコン)です。「お願いします」は、動詞の前に置くならbonvolu(ボンヴォール)、頼みごとのあとにつけるならmi petas(ミ ペータス)です。「すみません」はPardonu!(パルドーヌ)で、本当に残念に思うときはMi bedaŭras(ミ ベダウラス)と言います。このページのカタカナは近似の読み方で、太字と「ー」が、強く読む音節を示します。強く読むのは、どの語も後ろから2番目の母音です(アルファベットを参照)。

一覧表

日本語エスペラントカタカナよくある返事
ありがとうDankon!ダーンコンNe dankinde.
どうもありがとうMultan dankon!ムールタン ダーンコンNe dankinde.
どういたしましてNe dankinde.ネ ダンキーンデ–
…してください(動詞の前)Bonvolu sidiĝi.ボンヴォール スィディージDankon.
…をお願いしますAkvon, mi petas.アークヴォン、ミ ペータスJen.
はい、どうぞJen!イェンDankon!
すみません/ごめんなさいPardonu (min)!パルドーヌ(ミン)Ne gravas.
申し訳ありません(残念に思います)Mi bedaŭras.ミ ベダウラスNe gravas.
お詫びしますMi pardonpetas.ミ パルドンペータスNe gravas.
乾杯/お大事にSanon!サーノンDankon.
おいしく召し上がれBonan apetiton!ボーナン アペティートンDankon, ankaŭ al vi.

日本語の「ありがとう」「すみません」との対応

日本語の「すみません」は、謝るときにも、声をかけるときにも、ありがとうの代わりにも使えます。エスペラントは、この3つを別々の言葉で言い分けます。

日本語エスペラント使い方
ありがとう/ありがとうございますDankon!敬語の区別はありません。気持ちを強めるなら Multan dankon!、Koran dankon!
すみません(感謝のつもり)Dankon!Pardonu は「許してください」の意味なので、感謝には使いません
すみません(声をかける、ぶつかる)Pardonu (min)!人に声をかけて質問を始めるときや、話をさえぎるときにも使います
すみません、ごめんなさい(謝る)Pardonu min!、Mi bedaŭras.軽い失敗は Pardonu、本当に残念なら Mi bedaŭras
どういたしまして、いえいえNe dankinde.「感謝には値しません」
気にしないでくださいNe gravas.、Ne zorgu.謝られたときの返事
お願いします…, mi petas.、Bonvolu…頼むものの後ろに mi petas、動詞の前に bonvolu
よろしくお願いします決まった言い方なし場面に合わせて、Mi ĝojas konatiĝi kun vi.(お会いできてうれしい)、Bonvolu…、…, mi petas. など

「よろしくお願いします」「お疲れさま」のように、日本語特有の決まり文句にあたる定型表現はありません。その場に合った、具体的な言葉を使ってください。時間帯ごとのあいさつは、あいさつをご覧ください。

「ありがとう」を言う

Dankon は、danko「感謝」の対格です。参照文法 PMEG は、Mi donas al vi dankon「私はあなたに感謝を差し上げます」を縮めた形だと説明しています。同じ語根から、danki「感謝する」、danka「感謝している」、dankinda「感謝に値する」ができます(語形成を参照)。

  • Multan dankon!(ムールタン ダーンコン):「たくさんの感謝を」。どうもありがとう。
  • Koran dankon!(コーラン ダーンコン):「心からの感謝を」。koro「心」から。
  • Dankegon!(ダンケーゴン):「大きな感謝を」。-eg- が意味を強めます。PMEG がまさにこの語を例にあげています。
  • Mi dankas vin.(ミ ダーンカス ヴィン):「私はあなたに感謝します」。完全な文です。

理由は、pro か por に名詞をつけて言います。Dankon pro via helpo(ダーンコン プロ ヴィーア ヘールポ)は「助けてくれてありがとう」です。PMEG はどちらも正しいとしています。ザメンホフの『Fundamento』は por を使いますが(Mi dankas vin por la prunto「貸してくれてありがとう」)、今は pro もとてもよく使われます。動作を理由にするときは ke を使います。Dankon, ke vi venis「来てくれてありがとう」。日本語の「〜してくれてありがとう」と同じ形です。

注意点が1つあります。ReVo は、申し出に対して Dankon だけで答えると、意味がはっきりしないと注意しています。Ĉu vi deziras kafon?(「コーヒーはいかがですか?」)には、Jes, dankon(「はい、ありがとう」)か Ne, dankon(「いいえ、けっこうです」)と答えてください。日本語の「けっこうです」が、「いただきます」にも「いりません」にもなって紛らわしいのと、似た事情です。

「ありがとう」に返事をする

Ne dankinde(ネ ダンキーンデ)が標準的な返事です。文字どおりには「感謝に値しない」で(ne + dank- + -ind-「値する」+ -e)、nedankinde と1語でも書きます。ReVo は Ne dankinde, estas mia plezuro「どういたしまして、私の喜びです」と、冗談の Ne dankinde, sed kisinde!「感謝には値しないが、キスには値する!」を載せています。携帯のメッセージでは、ND と縮めます。

Volonte(ヴォローンテ)は「喜んで」の意味で、頼みごとや申し出に答える言葉です。『Fundamento』の練習問題にも出てきます。Tre volonte, mia bona「とても喜んで、ご婦人」。Dankon への、ふつうの返事ではありません。

「お願いします」を言う

エスペラントには、「お願いします」にあたる語が1つあるわけではなく、いくつかの言い方があります。

  • Bonvolu + 不定詞:bonvoli「親切にも〜する」(bon-「よい」+ vol-「意志」)から。Bonvolu sidiĝi「どうぞお座りください」。PMEG は、命令形を重ねた Bonvolu sidu を避けるよう注意しています。ザメンホフはもっと簡素に volu sidiĝi と書き、PMEG は Bonvole sidu を論理的な代案として認めています。
  • …, mi petas:「私はお願いします」。頼みごとのあとにつけます。Akvon, mi petas「お水をお願いします」、Sidiĝu, mi petas「お座りください」。
  • Jen!(イェン):物を渡すときの「はい、どうぞ」。ReVo は、注意を引く語と定義していて、jen prenu seĝon「ほら、椅子をどうぞ」という例があります。

「すみません」を言う

Pardonu! か Pardonu min!(パルドーヌ ミン)は、文字どおりには「(私を)許してください」です。ReVo は、迷惑をかけることを、怒らずに我慢してほしいという頼みと定義しています。人にぶつかったとき、話をさえぎるとき、質問を始めるときに使います。Pardonu, ĉu la sidloko estas okupita?「すみません、この席は使われていますか?」。Pardonu min と Pardonu al mi はどちらも正しく、『Fundamento』には両方の形が出てきます。

Mi bedaŭras(ミ ベダウラス)は「残念に思います」の意味で、断るときや悪い知らせを伝えるときに合います。Mi bedaŭras, sed tio ne eblas「申し訳ありませんが、それはできません」。Mi pardonpetas(ミ パルドンペータス)は、もっとあらたまった「お詫びします」です。PMEG は、Mi sincere pardonpetas pro la malfruiĝo(「遅れたことを心からお詫びします」)が、Pardonu min pro la malfruiĝo!(「遅れてすみません!」)と意味が近いとしています。

謝られたときは、Ne gravas(ネ グラーヴァス)「たいしたことではありません」か、Ne zorgu「心配しないで」と答えます。

そのほかの丁寧な表現

  • Sanon!(サーノン):文字どおりには「健康を」。くしゃみのあとや乾杯のときに言います。
  • Bonan apetiton!(ボーナン アペティートン):ReVo は、食事の前にかける願いと説明しています。日本語の「いただきます」とは違い、自分でなく、相手に言う言葉です。
  • Ĝis! と Ĝis revido!:あいさつと別れの言葉をご覧ください。

そのほかの日常のフレーズは基本のフレーズに、あいさつを会話にした例は講座の第1課にあります。辞書では、各語の組み立てがわかります。

「ありがとう」に、丁寧な言い方とくだけた言い方はありますか?

ありません。エスペラントには、丁寧な「ありがとう」とくだけた「ありがとう」の区別がありません。Dankon! は誰にでも使え、multan、koran、Mi tre dankas vin pro… のような言葉を足して、調子を決めます。「ありがとう」と「ありがとうございます」を、動詞の形で言い分けることはなく、頼みごとや謝罪も同じです。動詞の形は、相手が誰でも変わりません。

丁寧さの目安

この分け方は当サイト独自のもので、公式な尺度ではありません。

段階感謝依頼
ふだんDankon!(ありがとう)Salon, mi petas.(塩をお願い)
丁寧Multan dankon!、Dankegon!(どうもありがとう)Bonvolu doni al mi la salon.(塩を取ってください)
あらたまったKoran dankon!、Mi tre dankas vin pro…(ありがとうございます)Ĉu vi bonvolus doni al mi la salon?(塩を取っていただけますか?)

Ĉu vi povus…?「〜していただけますか?」も丁寧な依頼になる、と PMEG は述べています。bonvolus や povus の語尾 -us は、「もし〜なら」を表す仮定の形で、日本語の「〜していただけますか」のように、ひかえめに頼む気持ちを出します。

Vi、ci と敬称

エスペラントに丁寧な「あなた」はありません。vi は、1人にも大勢にも、友達にも初対面の人にも使います(代名詞を参照)。日本語のように、相手との関係で「あなた」「きみ」「〜さん」を選ぶ必要はありません。『Fundamento』の語彙には単数の ci が載っていますが、PMEG によると、実際には使われたことがなく、決まったニュアンスもないので、使わないでください。

敬意は、代わりに敬称で表します。sinjoro「〜さん、男性への敬称」(スィンジョーロ)、sinjorino「女性への敬称」(スィンジョリーノ)、gesinjoroj「ご夫妻、紳士淑女のみなさん」(ゲスィンジョーロイ)です。Sinjoro Tanaka は「田中さん」にあたります。呼びかけの前には、la をつけません。Estimata prezidanto…「議長殿」(手紙の書き出し。PMEG の例)。友達に宛てては、Kara Maria「親愛なるマリアへ」と書きます。

よくある質問

エスペラント語で「ありがとう」は?

Dankon!(ダーンコン)です。「どうもありがとう」は Multan dankon!、「手伝ってくれてありがとう」は Dankon pro via helpo と言います。

エスペラント語で「どういたしまして」は?

Ne dankinde(ネ ダンキーンデ)です。文字どおりには「感謝に値しません」です。1語の Nedankinde も正しい綴りです。

エスペラント語で「お願いします」は?

不定詞の前なら bonvolu(Bonvolu atendi – 「お待ちください」)、頼みごとのあとなら mi petas(Kafon, mi petas – 「コーヒーをお願いします」)です。

エスペラント語で「すみません」は?

場面で言葉が変わります。声をかけたり、軽く謝ったりするときは Pardonu!、本当に残念に思うときは Mi bedaŭras、あらたまってお詫びするときは Mi pardonpetas です。感謝の意味の「すみません」は Dankon! と言います。

エスペラント語で「よろしくお願いします」は?

決まった言い方はありません。場面に合わせて、初対面なら Mi ĝojas konatiĝi kun vi(お会いできてうれしいです)、頼みごとなら Bonvolu… や …, mi petas を使います。

エスペラント語に敬語はありますか?

ありません。丁寧な「あなた」もなく、vi は誰に対しても使います。丁寧さは、bonvolu、sinjoro、estimata のような言葉で出します。

出典

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