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エスペラント語のアルファベットと発音

1文字にひとつの音、アクセントは後ろから2番目の音節。このページを読めば、どんなエスペラントの単語も声に出して読めます。

更新日: 約6分で読めます

エスペラントのアルファベットは28文字で、母音5つ(a, e, i, o, u)と子音23です。各文字は基本となるひとつの音を表し、すべての文字を発音し、黙字(読まない文字)はありません。記号つきの文字が6つあり(ĉ, ĝ, ĥ, ĵ, ŝ, ŭ)、q, w, x, y はアルファベットに含まれません。

28文字の一覧

文字の名前には簡単な規則があります。母音はその音そのもの、子音は -o をつけて呼びます(bo, co, ĉo)。日本語の近い音は目安であり、完全に同じではありません。IPAは、標準的な参照文法である PMEG に従っています。

文字名前IPA日本語での目安例
A aa(ア)[a]「ア」akvo アークヴォ – 「水」
B bbo(ボ)[b]「バ行」の子音bona ボーナ – 「よい」
C cco(ツォ)[ts]「ツ」の子音(ツァ・ツェ・ツィ・ツォ)。「ク」や「シ」にはならないpaco パーツォ – 「平和」
Ĉ ĉĉo(チョ)[tʃ]「チャ・チュ・チョ」の子音ĉokolado チョコラード – 「チョコレート」
D ddo(ド)[d]「ダ・デ・ド」の子音。di は「ディ」で、「ヂ」ではないdomo ドーモ – 「家」
E ee(エ)[e]「エ」。「エイ」と伸ばさないeta エータ – 「小さい」
F ffo(フォ)[f]「ファ・フィ・フェ・フォ」の子音。上の歯を下唇に軽く当てるfamilio ファミリーオ – 「家族」
G ggo(ゴ)[ɡ]「ガ行」。常に濁る硬い g で、ge は「ゲ」。「ジェ」にならないgranda グラーンダ – 「大きい」
Ĝ ĝĝo(ジョ)[dʒ]語頭の「ジャ・ジュ・ジョ」の子音ĝardeno ジャルデーノ – 「庭」
H hho(ホ)[h]「ハ・ヘ・ホ」の息だけの音hundo フーンド – 「犬」
Ĥ ĥĥo(ホ)[x]のどの奥でこする「ハ」(ドイツ語の Bach の ch)ĥoro ホーロ – 「合唱団」
I ii(イ)[i]「イ」infano インファーノ – 「子ども」
J jjo(ヨ)[j]「ヤ・ユ・ヨ」の子音。ローマ字の j(ジ)ではないjes イェス – 「はい」
Ĵ ĵĵo(ジョ)[ʒ]フランス語の j(jour の j)ĵurnalo ジュルナーロ – 「新聞」
K kko(コ)[k]「カ行」の子音kato カート – 「猫」
L llo(ロ)[l]舌先を上の歯茎にしっかりつける。ラ行とは別の音lingvo リーングヴォ – 「言語」
M mmo(モ)[m]「マ行」の子音mano マーノ – 「手」
N nno(ノ)[n]「ナ行」の子音。語末では「ン」nokto ノークト – 「夜」
O oo(オ)[o]「オ」。「オウ」と伸ばさないovo オーヴォ – 「卵」
P ppo(ポ)[p]「パ行」の子音pano パーノ – 「パン」
R rro(ロ)[r]PMEG は巻き舌を勧める。日本語のラ行に近い、舌先で軽くはじく音でも通じるrozo ローゾ – 「バラ」
S sso(ソ)[s]「サ・ス・セ・ソ」の子音。si は「スィ」。濁らないsuno スーノ – 「太陽」
Ŝ ŝŝo(ショ)[ʃ]「シャ・シュ・ショ」の子音ŝipo シーポ – 「船」
T tto(ト)[t]「タ・テ・ト」の子音。ti は「ティ」、tu は「トゥ」tago ターゴ – 「日」
U uu(ウ)[u]唇を丸めた「ウ」urbo ウールボ – 「都市」
Ŭ ŭŭo(ウォ)[w]「ア」「エ」のあとに添える短い「ウ」aŭto アウト – 「自動車」
V vvo(ヴォ)[v]「ヴ」。上の歯を下唇に軽く当てる。「ブ」にしないvivo ヴィーヴォ – 「命」
Z zzo(ゾ)[z]「ザ行」の子音。zi は「ズィ」zebro ゼーブロ – 「シマウマ」

カタカナの太字と「ー」は、強く発音する音節の目印です(アクセントについては次の節をご覧ください)。母音を長く伸ばす必要はありません。1905年の Fundamento de Esperanto は、e に英語の "make"、o に "not" などの例を挙げていましたが、現代の多くの発音では二重母音や別の母音になってしまいます。スペイン語やイタリア語のように、二重母音にならない安定した母音を目指しましょう。母音が長いか短いかは問題になりません(PMEG)。

アクセントはどこに置く?

アクセントは必ず、単語の後ろから2番目の母音に置かれます。j と ŭ は母音ではないので、数えません。

母音ひとつで1音節。強く読む音節に印がついています
kafo: KA-fo/ˈka.fo/
lernejo: ler-NE-jo/lerˈne.jo/
ĉiutage: ĉi-u-TA-ge/tʃi.uˈta.ɡe/
Eŭropo: eŭ-RO-po/ewˈro.po/
kiuj: KI-uj/ˈki.uj/

ĉiutage「毎日」では i と u がそれぞれ別の音節なので、アクセントは ta に置かれます。Eŭropo「ヨーロッパ」と kiuj「どの(複数)」では、eŭ と uj がそれぞれ1つの音節です。

単語音節カタカナ意味
salutonsa-LU-tonサルートン「こんにちは」
familiofa-mi-LI-oファミリーオ「家族」
radiora-DI-oラディーオ「ラジオ」
ankaŭAN-kaŭアーンカウ「〜も」
hodiaŭho-DI-aŭホディーアウ「今日」
Esperantoes-pe-RAN-toエスペラーント「エスペラント」

ほかの母音と隣り合う i と u は、1つの音節として数えます。だから fa-mi-LI-o であって、「ファ・ミル・ヨ」ではありません。詩や歌で名詞の語尾 -o を省いてアポストロフィにする場合も、アクセントの位置は変わりません。famili' は fa-mi-LI と発音します。

日本語のアクセントは音の高低ですが、エスペラントのアクセントは強弱です。強く発音する音節を、少し大きく、はっきり言ってください。高く言う必要はありません。また、日本語は母音の長短で単語が変わります(「おばさん」と「おばあさん」)が、エスペラントには長短の区別がありません。カタカナの「ー」は長音ではなく、強く読む印です。

二重母音

母音に j か ŭ が結びついて1音節になる組み合わせが6つあります。PMEG は「母音+半母音」と説明しており、教科書では二重母音と呼ばれることもあります。「ア・イ」のように2拍に区切らず、ひとつながりで発音します。

組み合わせ日本語での目安例
aj「アイ」kaj カイ – 「そして」
ej「エイ」plej プレイ – 「最も」
oj「オイ」hundoj フーンドイ – 「犬(複数)」
uj「ウイ」。素早くkiuj キーウイ – 「どの(複数)」
aŭ「アウ」aŭto アウト – 「自動車」
eŭ「エウ」。英語に対応する音がないEŭropo エウローポ – 「ヨーロッパ」

普通の単語の中の ŭ は、ほとんどいつも a か e のあとに現れます。エスペラント・アカデミーは2023年に、新しい語でもこの習慣を守るよう勧めました。英語で子音のあとに w の音が来る場所には、エスペラントは v を使います。akvo「水」、kvin「5」であって、「アクウォ」ではありません。

日本語話者のための発音ガイド

日本語の母音は、エスペラントとほぼ同じ「ア・イ・ウ・エ・オ」です。そのため、エスペラントは日本語話者にとって発音しやすい言語です。それでも、次の点には気をつけてください。

ローマ字読みと違う文字

ローマ字で育った人は、つづりを見て日本語の読み方をつい当てはめます。次の文字は、ローマ字と読み方が違います。

つづりローマ字で読むとエスペラントでの音例
j「ジ」「ヤ・ユ・ヨ」の子音jes イェス – 「はい」、jaro ヤーロ – 「年」
c(英語流に)「ク」や「シ」「ツ」の子音centro ツェーントロ – 「中心」
si「シ」(shi)「スィ」sidi スィーディ – 「座る」
ti, tu「チ」(chi)、「ツ」(tsu)「ティ」、「トゥ」tio ティーオ – 「それ」、tuta トゥータ – 「全体の」
di, du「ヂ」、「ヅ」「ディ」、「ドゥ」dio ディーオ – 「神」、du ドゥ – 「2」
g(e, i の前も)英語流に「ジェ」「ジ」常に「ガ行」の硬い音geografio ゲオグラフィーオ – 「地理学」
v「ブ」上の歯を下唇に当てる「ヴ」vivo ヴィーヴォ – 「命」

母音の足しすぎに注意

日本語では子音に必ず母音がつきます。エスペラントでは、子音が続いても母音を足さずに発音します。saluton は「サルートノ」ではなく「サルートン」で、語末の n は舌を上の歯茎につけたまま止めます。strato「通り」の str- は「ストゥラ」と読まず、s-t-r と子音を素早く続けます。kvin「5」も、「クヴィ」と母音を入れずに kv- と始めます。

r と l、ĝ と ĵ、h と ĥ

  • r と l を区別する。 どちらもカタカナではラ行になるため、カタカナの目安だけでは区別できません。r は舌先で歯茎を軽くはじき、l は舌先を上の歯茎にしっかりつけて出す音です。revi「夢を見る」と levi「持ち上げる」のように、これだけで意味が変わる単語があります。語末や子音の前の r も省かないでください。parko「公園」が pako「包み」に聞こえてはいけません。
  • ĝ と ĵ を区別する。 日本語にはこの区別がなく、どちらも「ジ」になりがちです。ĝ は舌が口の天井にいったん触れる音、ĵ は触れずに息をこすって出す音です。
  • h と ĥ を区別する。 h は息だけの「ハ」、ĥ はのどの奥でこする音です。ĥ はいちばん使われない文字で、k で書き換えた形のある語も多く、ĥemio と kemio はどちらも「化学」です。

ĉ, ĝ, ŝ が打てないとき:H方式とX方式

記号つきの文字が打てない場合のために、代用の書き方が2つあります。H方式は Fundamento 自身が定めたもので、ch, gh, hh, jh, sh と書き、ŭ は単に u と書きます。あいまいになることがあり、flughaveno「空港」は flug-haven-o であって fluĝaveno ではありません。X方式は、エスペラントの文字ではない x を使い、cx, gx, hx, jx, sx, ux と書きます。非公式ですがあいまいさがなく、オンラインでよく使われます。エスペラント・アカデミーは2007年に、技術上の必要がある場合の代用表記を認めました。

次の一歩として、最初に耳にする言葉を基本のエスペラントのフレーズで覚えましょう。カタカナの早見表は辞書のページにもあります。

よくある質問

エスペラント語のアルファベットは何文字?

28文字です。ラテン文字から q, w, x, y を除き、記号つきの6文字 ĉ, ĝ, ĥ, ĵ, ŝ, ŭ を加えたものです。

エスペラント語は書いてあるとおりに読める?

はい。1文字がひとつの音を表し、すべての文字を発音します。28文字とアクセントの規則を知れば、どんな単語も声に出して読めます。

エスペラント語のアクセントはどこ?

必ず後ろから2番目の母音です。ta-BLO は誤りで、TA-blo「テーブル」が正しい形です。j と ŭ は母音に数えません。

なぜエスペラントには ĉ や ŝ のような文字があるの?

ひとつの音に、ちょうどひとつの文字が必要だからです。英語の ch や sh のような2文字の組み合わせではなく、記号つきの1文字を使うので、つづりがあいまいになりません。

ĉ, ĝ, ŝ はどう入力する?

スマートフォンでは、キーボードにエスペラント語を追加し(Gboard は Android と iPhone で対応しています)、文字を長押しします。たとえば c を長押しすると ĉ が選べます。パソコンでは、エスペラント用のキーボード配列を入れるか、X方式(cx, gx, sx)で書きます。当サイトの辞書検索と講座の練習問題は、入力と同時に変換します。

出典

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