文法
エスペラントの代名詞|mi vi li ŝi si と所有形
9個の短い語と2つの語尾で、人称代名詞も所有形もすべて作れます。
エスペラントの人称代名詞は、mi(私)、vi(あなた)、li(彼)、ŝi(彼女)、ĝi(それ)、ni(私たち)、ili(彼ら)、oni(人は、一般に)、そして再帰の si です。-n をつけると目的語(min「私を」)、-a をつけると所有形(mia「私の」)になります。覚える形は、これだけです。
この9個は、16か条の第5条に載っています。10個目の ci は、『エスペラントの基礎』の辞典にだけあり、ほとんど使われません。
人称代名詞の一覧
mi + -n = min
- vi は、単数も複数も、改まった場面もくだけた場面も、すべてを表します。1語で「あなた」「あなたたち」「ご自身」をまかなうので、相手によって「あなた・きみ・お前」を使い分ける必要がありません。
- ĝi は、物、動物、赤ちゃんに使います。
- ili は、人でも物でも、性別に関係なくどんなグループにも使えます。
- oni は一般の人々を表します。Oni diras, ke… は「〜と言われています」。日本語の受け身や、主語のない文に相当することがよくあります。Oni parolas Esperanton tie. は「そこではエスペラントが話されています。」onin と onia も規則どおりの形ですが、ほとんど使いません。
目的語の形は、対格の規則に従います。Ŝi amas lin. は「彼女は彼を愛しています。」、Ĉu vi vidis min? は「私を見ましたか?」です。
日本語話者へ:主語を省かない
日本語は、「学生です」「行きます」のように、主語を省くのが自然です。エスペラントの動詞は人称で変化しないため、代名詞を省くと、誰のことかわかりません。Mi estas studento と、必ず mi をつけます。
| 日本語 | エスペラント |
|---|---|
| 学生です。 | Mi estas studento. |
| 東京に住んでいます。 | Mi loĝas en Tokio. |
| 来ましたか? | Ĉu vi venis? |
例外は、Pluvas(雨が降っています)のような主語のない文と、Venu!(来て!)のような命令文です。
所有形は形容詞と同じように一致する
所有形は形容詞なので、名詞から -j と -n を受け取ります。
| 単数 | 複数 | |
|---|---|---|
| 主語 | mia libro | miaj libroj |
| 目的語 | mian libron | miajn librojn |
所有形はすでに名詞を特定するので、名詞の前で la とは組み合わせません。mia libro であって、la mia libro ではありません。単独の la mia は「私のもの」の意味です。Tiu ĉambro estas la mia. は「あの部屋は私のです。」冠詞を参照してください。
Si、sin、sia:再帰代名詞
Si は、同じ節の主語を指し返す語です。その主語が三人称(li, ŝi, ĝi, ili, oni、または名詞)のときだけ使います。日本語の「自分」と、よく似た働きをします。
| 文 | 意味 |
|---|---|
| Petro lavas sin. | 「ピーターは自分を洗います。」 |
| Petro lavas lin. | 「ピーターは(別の)彼を洗います。」 |
| Ŝi vizitis sian patrinon. | 「彼女は自分の母を訪ねました。」 |
| Ŝi vizitis ŝian patrinon. | 「彼女は(別の女性の)母を訪ねました。」 |
日本語の「彼女は彼女の母を訪ねた」は、どちらの意味にも取れます。エスペラントは sia と ŝia で、はっきり区別します。
間違いの大半は、次の2つの規則で防げます。
- 三人称だけ。 mi, vi, ni には、それぞれの形を使います。Mi lavas min. は「私は自分を洗います。」、Ni amas nian urbon. は「私たちは自分たちの町を愛しています。」日本語の「自分」と違い、si は「自分は〜」のように、一人称では使えません。
- 主語そのものには使わない。 Anna kaj ŝia fratino venis. は「アンナと彼女の姉妹が来ました。」ここの sia は誤りです。その句が主語そのものだからです。kun がつけば正しくなります。Anna kun sia fratino venis.
Ci:昔の「汝」
『エスペラントの基礎』の辞典には、親しい相手に使う単数の「あなた」の ci があります。16か条には出てきません。PMEG は、ci は実際にはほとんど使われたことがなく、理解できない話し手も多いと述べています。普通のエスペラントでは、常に vi を使います。
Ri と性別を問わない代名詞
エスペラントには、性別が不明、または特定しない1人を指す公式の代名詞がありません。伝統的には li が使われましたが、近年は性差別的だという批判が強まっています。ザメンホフは、性別不明の人に ĝi を使うことも認めましたが、PMEG は、大人に使うと物扱いに聞こえかねないと注意しています。
非公式の代名詞 ri(rin, ria)は、性別に関係なく、1人を指して「彼または彼女」の意味で使います。PMEG は ri を非公式としつつ、特に若い話者のあいだでかなり広まっていると述べています。英語版 Wikipedia によれば、2019年時点で最も人気のある性別中立の提案でした。エスペラント・アカデミーは採用していません。
- Mia amiko diris, ke ri venos. – 「友達は、(その人が)来ると言いました。」
前置詞のあとの代名詞
前置詞のあとでは、代名詞は基本形のままです。kun mi「私と」、por vi「あなたのために」、al ŝi「彼女に」。動作の受け手には al を使います。Donu al mi la libron. は「その本を私にください。」前置詞を参照してください。
例文
- Mi amas vin. – 「私はあなたを愛しています。」
- Ni parolis pri vi hieraŭ. – 「私たちは昨日あなたのことを話しました。」
- Ŝi donis al li sian libron. – 「彼女は彼に自分の本(彼女自身の本)を渡しました。」
- Ŝi donis al li lian libron. – 「彼女は彼に彼の本を渡しました。」
- Ili vizitis siajn gepatrojn. – 「彼らは自分たちの両親を訪ねました。」
- Li lavas sin ĉiumatene. – 「彼は毎朝、自分の体を洗います。」
- La hundo ludas kun sia pilko. – 「犬は自分のボールで遊んでいます。」
- Ĉu tiu ombrelo estas via aŭ mia? – 「その傘はあなたのですか、それとも私のですか?」
- Oni diras, ke la vintro estos malvarma. – 「冬は寒くなると言われています。」
よくある質問
エスペラント語で丁寧な「あなた」はどう言いますか?
vi を使います。1人でも複数でも、改まった場面でもくだけた場面でも同じです。日本語の敬語のような使い分けはありません。丁寧さを加えたいときは、sinjoro(男性への「〜さん」「〜様」)や sinjorino(女性への「〜さん」「〜様」)などの敬称を添えます。
sia と lia の違いは何ですか?
Sia は、節の主語に指し返します。Li legas sian libron は「彼は自分の本を読んでいます」。Lia は別の人のものです。Li legas lian libron は「彼は(別の男性の)本を読んでいます」。
エスペラントに性別を問わない代名詞はありますか?
公式にはありません。非公式の ri が最もよく使われています。性別不明の人には、伝統的に li や ĝi が使われました。
ci は今でも使われていますか?
ほとんど使われません。『エスペラントの基礎』の辞典にあるだけで、PMEG は常に vi を使うよう勧めています。
「私のもの」「あなたのもの」はどう言いますか?
所有形に la をつけます。la mia「私のもの」、la via「あなたのもの」。形容詞と同じように一致します。Viaj ŝuoj estas novaj, la miaj estas malnovaj. は「あなたの靴は新しく、私のは古いです。」
日本語のように主語を省いてもいいですか?
基本的には省けません。動詞が人称で変化しないので、Mi、vi などを必ず書きます。省けるのは、Pluvas(雨が降っています)のような主語のない文や、Venu!(来て!)のような命令文など、ごく限られた場合だけです。
出典
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