文法
エスペラントの疑問文と否定|ĉu・ki-・ne の使い方
助動詞も語順の変化もなし。文頭に ĉu を置けば、疑問文になります。
エスペラントは、平叙文の文頭に ĉu を置くと、「はい・いいえ」で答える疑問文になります。Vi parolas Esperanton → Ĉu vi parolas Esperanton?(「あなたはエスペラントを話しますか?」)。ほかの疑問文は、kio「何」や kie「どこ」などの ki- の語で始めます。否定は、打ち消したい語の前に ne を置くか、neni- の語を使います。1つの節に否定は1つで足ります(16か条の第12条)。
ĉu による「はい・いいえ」の疑問文
Ĉu は、普通、疑問文の文頭に置きます(PMEG)。文のほかの部分は変わりません。英語の do もなく、動詞も動きません。日本語の文末の「か」にあたる語が、エスペラントでは文頭に来る点に注意してください。
- Ĉu vi komprenas min? – 「私の言うことがわかりますか?」
- Ĉu vi estas kanadano? – 「あなたはカナダ人ですか?」
- Ĉu vi volas kafon aŭ teon? – 「コーヒーとお茶、どちらがいいですか?」
Ĉu は、コンマのあとの文末にも置けます。Vi estas usonano, ĉu? 確認を求めるには、ĉu ne? を加えます。Vi restos hejme, ĉu ne? は「家にいるんでしょう?」(PMEG)。日本語の「でしょう?」「ね?」にあたります。
間接疑問では、ĉu は「〜かどうか」の意味です。Mi ne scias, ĉu li venos は「彼が来るかどうか知りません」。日本語の「かどうか」と同じ感覚です。
ki- の語を使う疑問文
詳細についての疑問文は、相関詞の表の ki- の語で始めます。日本語の「何・どこ・いつ」などの疑問詞にあたります。
| 語 | 意味 | 例 | 訳 |
|---|---|---|---|
| kio | 何 | Kio estas tio? | 「それは何ですか?」 |
| kiu | だれ、どれ | Kiu vi estas? | 「あなたはだれですか?」 |
| kia | どんな | Kia estas la vetero? | 「天気はどうですか?」 |
| kie | どこで | Kie vi loĝas? | 「どこに住んでいますか?」 |
| kien | どこへ | Kien vi iras? | 「どこへ行くのですか?」 |
| kiam | いつ | Kiam vi venos? | 「いつ来ますか?」 |
| kial | なぜ | Kial vi ridas? | 「なぜ笑っているのですか?」 |
| kiel | どのように | Kiel vi fartas? | 「お元気ですか?」 |
| kiom | どれだけ、いくつ | Kiom ĝi kostas? | 「いくらですか?」 |
| kies | だれの | Kies libro estas tio? | 「それはだれの本ですか?」 |
| kioma | 何番目の | Kioma horo estas? | 「何時ですか?」(数詞参照) |
疑問詞が目的語のときは、対格の -n がつきます。Kion vi volas? は「何がほしいですか?」、Kiun vi vidis? は「だれを見ましたか?」です。
ki- の語は普通、文頭に来ますが、強調のためにほかの語順も許されます(Wikipedia。語順参照)。同じ語が関係節も導きます。la viro, kiu venis(来た男性)。
日本語の疑問文には文末に「か」をつけますが、ki- の語を使う疑問文には ĉu をつけません。Kie vi loĝas? であって、Ĉu kie vi loĝas? ではありません。日本語の「どこに住んでいますか」の「か」に引きずられて ĉu を足さないよう、注意しましょう。
ĉu を使わず、抑揚だけで疑問文にすることもできます(PMEG)。日本語の「来る?」と同じ感覚です。書くときは、ĉu があると疑問文だとはっきりします。
ne による否定
Ne は、打ち消す語の直前に置きます(PMEG)。動詞の前に置くと、文全体を否定します。日本語の「ない」は述語の末尾に来ますが、ne は前に来ます。
- Mi ne dormas. – 「私は眠っていません。」
- Ne mi faris tion. – 「それをしたのは私ではありません。」
- Ni faris la kontrakton ne skribe, sed parole. – 「私たちは契約を書面ではなく口頭で結びました。」
Nek … nek は「〜も〜もない」です。Mi volas nek kafon, nek teon は「私はコーヒーもお茶もほしくありません」。否定のあとの nek は、「〜も…ない」の意味を加えます。Mi ne renkontis lin, nek lian fraton は「私は彼にも、彼の兄弟にも会いませんでした」。
neni- の語
相関詞の neni- の行は、置かれる位置にかかわらず、それだけで否定する語です。
| 語 | 意味 | 例 | 訳 |
|---|---|---|---|
| neniu | だれも…ない | Neniu venis. | 「だれも来ませんでした。」 |
| nenio | 何も…ない | Mi vidis nenion. | 「私は何も見ませんでした。」 |
| nenie | どこにも…ない | Ĝi estas nenie. | 「それはどこにもありません。」 |
| neniam | 決して…ない | Mi neniam fumis. | 「私は一度もタバコを吸ったことがありません。」 |
| neniel | どうしても…ない | Mi neniel povas helpi. | 「私にはどうしても手伝えません。」 |
| nenial | 理由もなく | Li nenial koleris. | 「彼は理由もなく怒りました。」 |
| nenia | どんな…も…ない | Mi havas nenian ideon. | 「私にはまったく見当がつきません。」 |
| nenies | だれのものでもない | Ĝi estas nenies. | 「それはだれのものでもありません。」 |
| neniom | 少しも…ない | Restas neniom. | 「何も残っていません。」 |
二重否定はしない
『エスペラントの基礎』の第12条は、1つの節に否定が1つあれば、2つ目は認められないとしています。そのため、Mi vidis neniun は「だれも見なかった」の意味で、動詞の前に ne はつけません。
2つの否定は打ち消し合います。Mi ne amas neniun は「だれも愛していないということはない」、つまり、愛している人はいる、の意味になります(PMEG)。スペイン語、ポーランド語、ロシア語など、二重否定が普通の言語の話者がつまずく点です。
日本語話者は特に注意
日本語では、「何も見なかった」「だれも来なかった」のように、疑問詞+「も」と、文末の「ない」を組み合わせて否定します。この感覚のままでは、Mi ne vidis nenion や Neniu ne venis と言いたくなります。しかし、エスペラントでは nenio や neniu がすでに否定なので、ne は不要です。
| 日本語 | 正しい形 | 間違い(意味が変わる) |
|---|---|---|
| 何も見なかった | Mi vidis nenion. | Mi ne vidis nenion.(何かは見た) |
| だれも来なかった | Neniu venis. | Neniu ne venis.(全員が来た) |
同じ否定語を繰り返すのは、強調になるだけです。Neniam, neniam, neniam li revenos は「彼は決して、決して、決して戻ってきません」(PMEG)。
jes と ne で答える
Jes は「はい」、ne は「いいえ」です。短い答えにもなります。Ĉu vi komprenas? – Jes, mi komprenas. / Ne, mi ne komprenas. 「わかりますか?―はい、わかります。/いいえ、わかりません。」
否定の疑問文は難しいところです。Ĉu vi ne volas kafon?(「コーヒーはいりませんか?」)について、PMEG は、使われている2つの方式を挙げています。
| 返事 | 「西方式」 | 「東方式」 |
|---|---|---|
| Jes! | 「ほしいです。」(日本語なら「いいえ、ほしいです」) | 「ほしくありません。」(日本語の「はい」と同じ) |
| Ne! | 「ほしくありません。」(日本語なら「はい、ほしくありません」) | 「ほしいです。」(日本語の「いいえ」と同じ) |
日本語の「はい・いいえ」は、相手の言い方に同意するかどうかで決まるので、「東方式」と同じ考え方です。「コーヒーはいりませんか?」に「はい、いりません」と答える感覚です。どちらの方式も実際に使われています。いちばん安全なのは、文で答えることです。Jes, mi volas または Ne, mi ne volas。ほかの日常のフレーズは基本フレーズを参照してください。
例文
- Ĉu vi jam manĝis? – 「もう食事はしましたか?」
- Ĉu ni iru al la kinejo aŭ restu hejme? – 「映画館に行きましょうか、それとも家にいましょうか?」
- Kun kiu vi parolis? – 「だれと話しましたか?」
- Pri kio vi pensas? – 「何について考えていますか?」
- Kiom da gefratoj vi havas? – 「兄弟姉妹は何人いますか?」
- Kial vi ne venis hieraŭ? – 「どうして昨日は来なかったのですか?」
- Mi neniam estis en Japanio. – 「私は一度も日本に行ったことがありません。」
- Neniu el ni scias la respondon. – 「私たちのだれも、答えを知りません。」
- Mi tute ne scias, kie li estas. – 「彼がどこにいるのか、まったくわかりません。」
よくある質問
エスペラント語で「はい」と「いいえ」はどう言いますか?
「はい」は jes、「いいえ」は ne です。Ne は「〜ない」の意味もあります。Ne, mi ne scias は「いいえ、わかりません」。
エスペラント語の疑問文で語順は変わりますか?
変わりません。「はい・いいえ」の疑問文は平叙文の前に ĉu を置いて作り、それ以外の疑問文は ki- の語で始めます。英語の do のような助動詞はありません。
日本語の「か」はエスペラント語のどこに置きますか?
「か」にあたる ĉu は文頭に置きます。ただし、ki- の語(kio, kie など)で始まる疑問文には ĉu は不要です。
エスペラントで二重否定は使えますか?
使えません。1つの節に否定は1つで足り、2つの否定は打ち消し合います。Mi ne vidis neniun は「だれかを見た」の意味です。
否定の疑問文には、どう答えますか?
jes と ne の使い方に2つの方式があるので、文で答えるのが最も明確です。Jes, mi volas は「はい、ほしいです」。
ĉu と kiu の違いは何ですか?
Ĉu は、ある事柄が本当かどうかを尋ね、jes か ne の返事を期待します。Kiu は「だれ」または「どれ」の意味です。Kiu venis? は「だれが来ましたか?」。
出典
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