文法
エスペラントの副詞|-e の作り方と基本の副詞一覧
語尾 -e ひとつで、ほとんどの語根が副詞になります。残りは数十個の短い語が担います。
エスペラントの副詞の大半は、語根に -e をつけて作ります。rapida「速い」→ rapide「速く」(『エスペラントの基礎』第7条)。場所を表す副詞に -n をつけると方向になります。hejme「家で」→ hejmen「家へ」。ankaŭ, jam, nun, tre, tro など、語尾のない短い副詞が約30語あり、そのまま副詞として働きます。
-e の副詞
語尾 -e は、形容詞だけでなく、あらゆる種類の語根と結びつきます。
| 語根 | 別の形 | -e の副詞 |
|---|---|---|
| rapid- | rapida「速い」 | rapide「速く」 |
| bon- | bona「よい」 | bone「よく、上手に」 |
| hejm- | hejmo「家」 | hejme「家で」 |
| maten- | mateno「朝」 | matene「朝に」 |
| vintr- | vintro「冬」 | vintre「冬に」 |
| ekzempl- | ekzemplo「例」 | ekzemple「たとえば」 |
| unu | unua「最初の」 | unue「まず第一に」 |
| antaŭ | 前置詞「〜の前に」 | antaŭe「以前に」 |
| post | 前置詞「〜のあとに」 | poste「あとで」 |
| kun | 前置詞「〜と一緒に」 | kune「一緒に」 |
| kompreni + -ebl- | komprenebla「理解できる」 | kompreneble「もちろん」 |
副詞は、動詞、形容詞、ほかの副詞、文全体を修飾できます(PMEG)。
- La policano kuras rapide. – 「警察官は速く走っています。」
- Ŝi sidas hejme. – 「彼女は家で座っています。」
- Ĝi estas sufiĉe granda. – 「それは十分に大きいです。」
- Kompreneble mi iros. – 「もちろん私は行きます。」
日本語の「く・に」にあたる -e
日本語でも、形容詞や形容動詞から副詞を作ります。この働きを、エスペラントは語尾 -e ひとつで担います。
日本語の「く」「に」を使い分ける必要がなく、語根が何であっても、一律に -e をつけるだけです。
主語のない文では副詞を使う
実質的な主語がない文では、形容詞ではなく副詞を使います(PMEG)。英語の it にあたる語もありません。
- Estas mallume. – 「暗いです。」
- Estas varme hodiaŭ. – 「きょうは暖かいです。」
- Estas bone, ke vi venas. – 「あなたが来てくれて、よかったです。」
- Kritiki estas facile. – 「批判するのは簡単です。」
日本語は主語を言わずに「暗い」「暑い」と形容詞で言えるので、そのまま Estas malluma と訳しがちです。形容詞 malluma は、La ĉambro estas malluma(部屋は暗い)のように、描写する名詞が必要です。主語のない文では -e を使いましょう。
比較
副詞は形容詞と同じように比較します。pli rapide は「より速く」、plej rapide は「最も速く」、malpli rapide は「それほど速くなく」です。Li kuras pli rapide ol mi は「彼は私より速く走ります」。「〜と同じくらい」は tiel … kiel で、tiel rapide kiel vi は「あなたと同じくらい速く」です。
方向を表す -en
『エスペラントの基礎』第13条によると、場所の副詞に -n をつけると、ある場所へ向かう動きを表します。これは対格の -n と同じです。日本語の「で・に(いる)」と「へ」の違いに重なります。
場所(どこで?)
Mi restas hejme.
私は家にいます。
方向(どこへ?)
Mi iras hejmen.
私は家に帰ります。
| どこで? | どこへ? |
|---|---|
| hejme「家で」 | hejmen「家へ」 |
| supre「上に」 | supren「上へ」 |
| malsupre「下に」 | malsupren「下へ」 |
| antaŭe「前に」 | antaŭen「前へ」 |
| dekstre「右に」 | dekstren「右へ」 |
| ekstere「外に」 | eksteren「外へ」 |
| tie「そこで」 | tien「そこへ」 |
| kie「どこで」 | kien「どこへ」 |
- Mi iras hejmen. – 「私は家に帰ります。」
- Rigardu supren! – 「上を見て!」
- Kien vi iras? – 「どこへ行くのですか?」
tie, kie など -e で終わる場所の語は、tiam(そのとき)や kiam(いつ)などの時の語とともに、相関詞の仲間です。
語尾のない基本副詞
次の短い語は公式の副詞で、語尾はありません。PMEG は意味ごとに分類しています。下の表は、よく使うものをまとめました。
| 語 | 意味 | 例 | 訳 |
|---|---|---|---|
| ankoraŭ | まだ | Li ankoraŭ dormas. | 「彼はまだ眠っています。」 |
| baldaŭ | もうすぐ | Ĝis baldaŭ! | 「ではまた近いうちに!」 |
| hieraŭ | きのう | Hieraŭ pluvis. | 「きのうは雨が降りました。」 |
| hodiaŭ | きょう | Hodiaŭ estas lundo. | 「きょうは月曜日です。」 |
| morgaŭ | あした | Ĝis morgaŭ! | 「また明日!」 |
| jam | もう、すでに | Mi jam manĝis. | 「もう食べました。」 |
| ĵus | たった今 | Li ĵus venis. | 「彼はたった今来たところです。」 |
| nun | いま | Kie vi estas nun? | 「いまどこにいますか?」 |
| plu | これ以上、もう | Mi ne plu fumas. | 「私はもうタバコを吸いません。」 |
| tuj | すぐに | Venu tuj! | 「すぐ来てください!」 |
| for | あちらへ、去って | Iru for! | 「あっちへ行って!」 |
| tre | とても | tre bona | 「とてもよい」 |
| tro | 〜すぎる | tro varma | 「暑すぎる」 |
| pli | より | pli granda | 「より大きい」 |
| plej | 最も | la plej bona | 「最もよいもの」 |
| preskaŭ | ほとんど | preskaŭ ĉiuj | 「ほぼ全員」 |
| apenaŭ | かろうじて | apenaŭ videbla | 「かろうじて見える」 |
| almenaŭ | 少なくとも | almenaŭ unu | 「少なくとも1つ」 |
| nur | だけ | nur unu | 「1つだけ」 |
| eĉ | 〜でさえ | eĉ infano | 「子どもでさえ」 |
| ankaŭ | 〜も | Ankaŭ mi. | 「私も。」 |
| ja | たしかに(強調) | Mi ja diris tion! | 「たしかにそう言いましたよ!」 |
| jen | ほら、ここに | Jen la libro. | 「ほら、これが本です。」 |
| do | それなら、さあ | Venu do! | 「さあ、来てください!」 |
| tamen | それでも | Tamen mi iros. | 「それでも私は行きます。」 |
| kvazaŭ | まるで〜のように | kvazaŭ infano | 「子どものように」 |
| mem | 自分で、自身 | mi mem | 「私自身」 |
| ju … des | 〜すればするほど | ju pli, des pli bone | 「多ければ多いほどよい」 |
| ne, jes | いいえ・〜ない、はい | Mi ne scias. | 「私は知りません。」 |
多くは語尾もつけられます。hodiaŭa「きょうの」、nuna「現在の」、tuja「即座の」、baldaŭa「もうすぐの」。ne と jes は疑問文と否定で説明します。
日本語の「きょう・あした・きのう」も助詞をつけずに副詞として使えるのと同じく、hodiaŭ, morgaŭ, hieraŭ は語尾なしでそのまま使います。
「もう」「まだ」の使い分け
日本語の「もう」と「まだ」は、肯定にも否定にも使えます。エスペラントでは、組み合わせごとに語が決まっています。
| 日本語 | エスペラント |
|---|---|
| もう食べました | Mi jam manĝis. |
| まだ食べていません | Mi ankoraŭ ne manĝis. |
| まだ食べています | Mi ankoraŭ manĝas. |
| もう食べません | Mi ne plu manĝas. |
位置が大切
nur, eĉ, ankaŭ, tre などの語は、普通、修飾する語の直前に置きます(PMEG)。位置を変えると意味が変わります。
- Nur mi vidis lin. – 「私だけが彼を見ました。」
- Mi vidis nur lin. – 「私は彼だけを見ました。」
日本語の「だけ」「も」「さえ」は、名詞のあとにつく助詞で、「私だけが」「彼だけを」のように位置で意味が変わります。エスペラントの nur, ankaŭ, eĉ は、日本語と逆に、対象の語の前に置きます。
例文
- Ŝi kantas bele. – 「彼女は美しく歌います。」
- Li respondis tute ĝuste. – 「彼はまったく正しく答えました。」
- Matene mi trinkas teon. – 「朝、私はお茶を飲みます。」
- Ni vojaĝis buse al Krakovo. – 「私たちはバスでクラクフへ旅行しました。」
- Estas malvarme ekstere. – 「外は寒いです。」
- Ni iru eksteren! – 「外に出ましょう!」
- Li ofte forgesas sian telefonon. – 「彼はよく自分の携帯電話を忘れます。」
- Mi preskaŭ falis. – 「私はもう少しで転ぶところでした。」
- Ŝi parolas Esperanton pli flue ol mi. – 「彼女は私より流暢にエスペラントを話します。」
よくある質問
エスペラント語の副詞はどう作りますか?
語根に -e をつけます。rapida → rapide「速く」、mateno → matene「朝に」。jam や tre などの基本副詞には、語尾がありません。
なぜ「Estas varma」ではなく「Estas varme」なのですか?
実質的な主語がない文では、副詞を使うからです。Estas varme は「暖かい(気候だ)」の意味で、形容詞 varma は La teo estas varma(お茶は温かい)のように、説明する名詞が必要です。
hejme と hejmen の違いは何ですか?
Hejme は「家で」(場所)、hejmen は「家へ」(方向)です。Mi estas hejme は「私は家にいます」、Mi iras hejmen は「私は家に帰ります」。
「まだ〜ない」「もう〜ない」はどう言いますか?
「まだ〜ない」は ankoraŭ ne です。Li ankoraŭ ne venis は「彼はまだ来ていません」。「もう〜ない」は ne plu で、Mi ne plu fumas は「私はもうタバコを吸いません」です。
hodiaŭ のような基本副詞にも語尾をつけられますか?
つけられます。hodiaŭa は「きょうの」、nuna は「現在の」、tuja は「即座の」です。
出典
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