Saluton講座
エスペラント語 第2課|家族・名詞・複数形・冠詞 la
名詞の語尾はひとつ、複数の語尾もひとつ、「その」にあたる語もひとつ。これで家族全員を紹介できます。
この第2課では、エスペラントの名詞のしくみを学びます。名詞はすべて -o で終わり、複数形は -j をつけ、冠詞 la がどの名詞にも使える「その」にあたる語です。また、mia(私の)で家族を紹介し、jen(ほら、これが)でものを指し示し、kaj(と)と ankaŭ(〜も)で人を付け足す方法も学びます。
会話
1週間後、アナとトモがビデオ通話をしています。アナが家族の写真を見せています。
| エスペラント語 | 日本語 |
|---|---|
| Ana: Saluton, Tomo! Jen foto de mia familio. | こんにちは、トモ!ほら、これが私の家族の写真です。 |
| Tomo: Saluton! Ho, granda familio! | こんにちは!わあ、大家族ですね! |
| Ana: Jes! Jen miaj gepatroj, Paulo kaj Rita. | ええ!これが両親の、パウロとリタです。 |
| Tomo: Kaj la knabo? | それで、この男の子は? |
| Ana: La knabo estas mia frato, Pedro. Li estas studento, kiel mi. | 弟のペドロです。私と同じ学生です。 |
| Tomo: Kaj la du knabinoj? | では、2人の女の子は? |
| Ana: Ili estas miaj fratinoj, Bia kaj Lara. Ili estas ĝemeloj. | 妹のビアとララです。2人は双子なんです。 |
| Tomo: Kaj la kato? | じゃあ、猫は? |
| Ana: La kato estas Kafo. Ĝi estas la ĉefo de la familio! | 猫はカフォ(「コーヒー」という意味)です。家族のボスなんですよ! |
| Tomo: Ha ha! Jen ankaŭ mia familio: miaj gepatroj, mia fratino Marta kaj mi. | あはは!ほら、僕の家族も。両親と、妹のマルタと、僕です。 |
| Ana: Kaj la sinjorino? | では、あの女性は? |
| Tomo: Ŝi estas mia avino, Zofia. Ŝi estas la ĉefo de nia familio! | 祖母のゾフィアです。うちの家族のボスなんです! |
| Ana: Ha ha! Kafo kaj Zofia – du ĉefoj! | あはは!カフォとゾフィア、ボスが2人ですね! |
新出単語
| エスペラント語 | 日本語 | 備考 |
|---|---|---|
| familio(ファミリーオ) | 家族 | 名詞 |
| foto(フォート) | 写真 | 名詞 |
| patro(パートロ) | 父 | patrino(パトリーノ)「母」 |
| gepatroj(ゲパートロイ) | 両親 | ge- =男女をあわせて |
| frato(フラート) | 兄、弟 | fratino(フラティーノ)「姉、妹」 |
| avo(アーヴォ) | 祖父 | avino(アヴィーノ)「祖母」、geavoj 「祖父母」 |
| knabo(クナーボ) | 男の子 | knabino(クナビーノ)「女の子」 |
| studento(ストゥデーント) | 学生 | 男女どちらにも使える |
| ĝemeloj(ジェメーロイ) | 双子 | 単数は ĝemelo |
| kato(カート) | 猫 | |
| ĉefo(チェーフォ) | ボス、長、責任者 | |
| sinjorino(スィニョリーノ) | 女性、〜夫人 | sinjoro(スィニョーロ)「男性、〜氏」 |
| la(ラ) | その、例の | 冠詞はこれだけ |
| jen(イェン) | ほら、これが、これは | 指し示すときに使う |
| de(デ) | 〜の、〜から | foto de mia familio「私の家族の写真」 |
| mia(ミーア) | 私の | 複数名詞の前では miaj |
| via(ヴィーア) | あなたの | |
| nia(ニーア) | 私たちの | |
| du(ドゥ) | 2 | 数字は第8課 |
| granda(グラーンダ) | 大きい | 形容詞(第3課) |
| kiel(キーエル) | 〜のように、〜として | kiel mi「私のように」 |
| ho(ホ) | ああ、わあ | 間投詞 |
文法
名詞は -o で終わる
エスペラントの名詞はすべて -o で終わります。familio, patro, kato, foto。知らない単語でも、名詞だとひと目でわかります。名詞に文法上の性はありません。la familio にも la kato にも、同じ la を使います。詳しくは名詞と形容詞のページを参照してください。
複数形:-j をつける
名詞に -j をつけると、複数形になります。-oj は「オイ」と発音します。
| 単数 | 複数 | 日本語 |
|---|---|---|
| frato | fratoj | 兄弟たち |
| familio | familioj | 家族たち |
| knabino | knabinoj | 女の子たち |
| ĉefo | ĉefoj | ボスたち |
不規則な複数形はありません。infano(子ども)→ infanoj(子どもたち)、homo(人)→ homoj(人々)です。
冠詞はひとつだけ:la
La は「その」「例の」にあたる語で、決して変化しません。la knabo, la knaboj, la knabino。使う場面は、おおむね英語の the と同じです。「ひとつの」にあたる語はなく、冠詞なしの kato は「(ある)猫」、la kato は「その猫」です。詳しくは冠詞のページにあります。
女性形は -in-
人を表す語のいくつかは、もともと男性を指します。家族を表す patro, frato, avo のほか、knabo(男の子)と sinjoro(男性、〜氏)もそうです。接尾辞 -in- をつけると女性形になります。patrino(母)、fratino(姉・妹)。接頭辞 ge- は「男女をあわせて」の意味です。gepatroj(両親)、gefratoj(兄弟姉妹)。studento や amiko など、人を表すほかの語の多くは、男女どちらにも使えます。
| 男性 | 女性 | 男女あわせて |
|---|---|---|
| patro – 父 | patrino – 母 | gepatroj – 両親 |
| frato – 兄・弟 | fratino – 姉・妹 | gefratoj – 兄弟姉妹 |
| avo – 祖父 | avino – 祖母 | geavoj – 祖父母 |
| knabo – 男の子 | knabino – 女の子 | geknaboj – 男の子と女の子 |
patrino母
gepatroj両親
「私の」「あなたの」「私たちの」:代名詞に -a
所有を表す語は、代名詞に形容詞の語尾 -a をつけたものです。複数名詞の前では、名詞と同じように -j がつきます。mia frato(私の兄・弟)、miaj fratoj(私の兄弟たち)。すべての形は代名詞のページにあります。
| 代名詞 | 所有形 | 例 |
|---|---|---|
| mi | mia – 私の | mia familio |
| vi | via – あなたの | via frato |
| li | lia – 彼の | lia patrino |
| ŝi | ŝia – 彼女の | ŝiaj gepatroj |
| ĝi | ĝia – それの | ĝia nomo |
| ni | nia – 私たちの | nia avino |
| ili | ilia – 彼らの | ilia kato |
Jen、kaj、ankaŭ
Jen は、何かを指し示す語です。Jen mia frato は「ほら、これが私の兄(弟)です」、Jen la fotoj は「ほら、これが写真です」。Kaj は、語や文をつなぎます。Paulo kaj Rita。Ankaŭ は「〜も」の意味で、ふつうは、それが指す語の直前に置きます。Ankaŭ Marta estas studento は「マルタも学生です」。名前や代名詞のあとに置く言い方も耳にしますが、意味は同じです:Marta ankaŭ estas studento。
日本語と比べると:家族の呼び方、複数形、「も」の位置
日本語では、家族の呼び方が、年齢や相手との関係で変わります。兄と弟、姉と妹を区別し、自分の父は「父」、相手の父は「お父さん」「お父様」と言います。エスペラントでは、相手が誰でも patro です。敬語を使い分ける必要はなく、via patro が「あなたのお父さん」にあたります。
| 日本語 | エスペラント語 |
|---|---|
| 兄、弟 | frato |
| 姉、妹 | fratino |
| 兄弟姉妹 | gefratoj |
| 父、お父さん、お父様 | patro |
| 母、お母さん、お母様 | patrino |
| 両親、ご両親 | gepatroj |
| 祖父、おじいさん | avo |
| 祖母、おばあさん | avino |
年上か年下かを言いたいときは、形容詞を足します。pli aĝa frato(年上の兄弟=兄)、pli juna frato(年下の兄弟=弟)です。この課の会話で frato を「弟」と訳したのは、日本語では兄か弟かを決めないと文にならないからで、原文には年齢の情報がありません。
複数形にも違いがあります。日本語は、複数を表さないのが普通です。「友達がいる」は、1人でも何人でも同じ言い方で、「3人」と数を言えば足ります。エスペラントでは、2つ以上のときは必ず -j をつけます。miaj fratoj であって、mia fratoj ではありません。
冠詞 la は、日本語にはない品詞です。「その猫」「例の猫」と言いたくなるときに使う、と考えると、はじめのうちは使いやすくなります。La kato は「その猫」です。
最後に「も」です。日本語の「も」は名詞のあとにつきます(マルタも)。ankaŭ は、ふつう名詞の前に置きます。Ankaŭ Marta estas studento. と、語順が逆になる点に気をつけましょう。名前や代名詞のあとに置く Marta ankaŭ estas studento. も同じ意味で、こちらは日本語の語順に近い言い方です。
練習問題
文化コラム
エスペラントを家庭で話している家族もいます。エスペラントを母語として育った子どもは、denaskuloj(「生まれつきの人」)と呼ばれ、研究者は約1,000〜2,000人と推定しています。その中には、エスペラントを通じて出会い、ほかに共通の言語がない夫婦の子どももいますが、より多いのは、共通の言語をもつ親が、子どもとエスペラントで話すことを選ぶ場合です。詳しくはエスペラントの母語話者をご覧ください。
よくある質問
エスペラントに文法上の性はありますか?
いいえ。名詞に性はなく、la もどの名詞にも同じです。人や動物の性別を示せるのは、それを表す語だけで、女性形は -in- で作ります。
「ある〜」「ひとつの〜」にあたる語は、エスペラントにありますか?
ありません。エスペラントには不定冠詞がなく、kato は「(ある)猫」または「猫」の意味で、la kato は「その猫」の意味です。日本語にも冠詞はないので、日本語の感覚で「ある〜」と言いたいときは、何もつけなければ大丈夫です。
なぜ mia gepatroj ではなく、miaj gepatroj なのですか?
Mia は形容詞と同じ働きをし、形容詞は名詞が複数なら -j をつけるからです。この一致は第3課で練習します。
出典
- Fundamento de Esperanto – 英語版の文法(第1〜3条)
- PMEG: La – bazaj reguloj(冠詞)
- PMEG: Nombro – bazaj reguloj(複数形)
- PMEG: Seksa signifo de O-vortoj(男性・女性・中立の名詞)
- PMEG: Posedaj pronomoj(所有形)
- PMEG: Ankaŭ(位置)
- Jouko Lindstedt, "Native Esperanto as a test case for natural language", SKY Journal of Linguistics 19 (2006)
- Native Esperanto speakers – Wikipedia(英語)
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